カサブランカ・パラソル♪  後編

 

 

てなわけで、in挌技場。

部隊同士の交流試合なんぞが無い時は、体を動かせる場所になっているのだが、ロイエンタールが上級大将権限で巻き上げた。

当のロイエンタールは二階席の一番いいところで高みの見物である。そしてギャラリーは山盛り。

上級大将二人と大将一人(+オマケ一人)、が元帥府の中で女性と一緒にほてほてと歩いているのである。目立たないはずが無い。

しかし、文句をいうもとの一人とていない。何故なら元帥府の主ローエングラム公爵のお墨付きだからである。

 

三分前。

上記のメンバーが連れ立って歩いたら確かに目立つ。何事かとラインハルト自身が出張ってきたのだ。

「ロイエンタール、ミッターマイヤー、ファーレンハイト、一体何が・・・げ、カールっ」

ラインハルトとカール以外の四名が、意外な既知に軽く目を瞠る。

「これはこれは、ローエングラム元帥閣下。閣下におかれてはご機嫌うるわしく・・・」

「麗しいわけあるか! 気色悪い。ヤメロ!」

「と、申されましても小官にも一応立場というものがございまして元帥閣下」

「じゃあ命令する。今だけでいいからその気色悪い喋り方と張り付いた笑顔やめろ。怖い」

「あそ。じゃ、遠慮なく」

ケロっと云ったがまたにこやかに話し出す。

「んなぁハルトちゃ〜〜〜ん。俺今家庭の事情で取り込み中なんよ。んだから邪魔すんなよってか邪魔したら吊るすぞ? みたいな?」

ピタピタピタ。どこまでもヤンキーである。

「おっまえなぁ、カール。俺が何時までも何時までもお前の妙なペースに振り回されて大人しくしてると思うなよ? 俺今元帥なんだぞ、すげぇ偉いんだぞ。お前なんか指先でケチョンパなんだからな」

ケチョンパってなんだよ、ケチョンパってさぁ。

「おやおや、いけませんよ元帥閣下。そんなガキくさい口の聞き方しちゃぁ。ってかハルト、ちょっとばかしほっとけよ。30分以内に終わらしてやるからよ。なぁ俺たちお友達じゃん?」

この二人は幼年学校の同級生で、両者ともにこの上下三年ぐらいの生徒にはとてつもなく有名だった。ラインハルトはラインハルトでこの容姿とこの性格とこの成績で目立たないはずがなく、カールはそれなりに愛想もよく、それなりに親切なのに何を考えているかわからず、ボンボンばかりの帝国の少年たちに少々薄気味の悪い思いをさせていた。

キルヒアイス以外でラインハルトが幼年学校時代マトモにしゃべったほぼ唯一の相手だが、本当に友達かどうかは怪しい。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうしたのハルトちゃん?」

ニコニコニコニコ

「一つ貸しだからな」

「あーーれぇ? 俺君に貸しが五、六個あった気がするんだけど?」

「・・・・・・・・・・・・・・・?」

しばし沈黙して指折り数えていたハルトだったが、首を傾げる。

「七個じゃなかったか?」

「いやん、ハルトちゃんってば馬鹿正直でステキw」

「(墓穴!)・・・・・・・今度酒でも奢る」

「あーら、随分お上品な台詞が云えるようになったじゃない? って、あ、そうかぁお前、俺以外でジークの思い出話できるやついないな?」

「(図星!!)」

「お姉さんかまってくれないのか?」

「(撃沈・・・・・)」

帝国は本気で将来こんなのが皇帝でいいんでしょうか・・・?

「部屋に戻ってる。30分だぞ?」

「わぁってるよんw まったねぇハルトちゃん♪」

ちなみにこの会話は額付き合わせて行われたので、辛うじて同行の四名以外には聞こえなかった。エマイユがラインハルトに同情を寄せたほかは、辛うじてラインハルトの威厳は損なわれなかったのである。

 

「とゆーわけで、よろしい?」

カールが上階のロイエンタールに確認する。二人とも軍服を着たまま、向き合っている。しかしファーレンハイトは何がおこるやらわかっていない。

「ファーレンハイト。お前一歩も動くなよ。お前が不用意に慌てて動きさえしなければお前は怪我を「しない」。そいつの腕は俺が保証する。ただ立ってろ。

カール。うっかり手ぇ抜いてちゃっかり殺したりするなよ」

「しねぇよ!(したいけど)」

ロイエンタールに釘をさされ、憮然としてカールがファーレンハイトに改めて向き直る。

「あの、閣下。エマイユのことなんですけど、本当はどう思ってます?」

「彼女と生きていければ幸いだと思っている・・・が?」

それが何かと問う眼差しだ。

「エマイユには母親がいません。父親はいるけどいないほうがマシかもしれないって男です。エマイユは優しくて、賢くて、強い、いい子です。けれど、そんなバックグランドも全部含めてエマイユなんです。それが貴方には重荷かもしれない」

「重荷なら、二人で背負った方がいいにきまってる!」

「ええ、俺もそう思います。けれど、あの子の重荷を知ったとき、あなたは逃げ出さずにいられるでしょうか? ああみえて情の深い子ですから、傷つくのも人一倍です」

「しかし、いくら重くても俺にはもうエマイユのいない人生は・・・」

「ありがとうございます。それではお願いします。どうか、あの子を見捨てないでください」

カールの呼吸が変化した。

 

「お、はじまったな」

「アル、本っ当に大丈夫なんですか・・・?」

頬杖をついているロイエンタールの横で、その手すりを握り締めているのがエマイユである。

「大丈夫だ。もしお前がなんらかの理由でファーレンハイトと一緒になれなくても、俺が無期限、無利子、無催促で金かしてやるから」

「何らかの理由ってなんです、何らかの理由って」

「あ、おいエマイユ頭かせ。髪の毛跳ねてるぞ。さっきのカールのせいで」

「あ、直してください〜」

のほほんな会話だったが、その瞬間挌技場全体がどよめく。

さっきまでカールの集中力が痛いくらいで息を殺していたギャラリーが。である。

「お、おい。ロイエンタール!」

ミッターマイヤーが青くなって親友を呼ぶ。

「えっ、何が、見えないですーーー」

ロイエンタールの右腕一本でエマイユの頭が抱えられて、視界が遮られている。

「落ち着けミッターマイヤー。ただ刺しただけじゃ致命傷なんてなぁなりっこない」

「さ、刺したって、・・・キャーーーっ!」

ニジニジとロイエンタールの腕から抜け出して、エマイユが見た光景といえば。

刺さってる。どう見ても刺さっている。

上から見ているからよくわかる。カールの弁天がファーレンハイトの腹に収まり、背から切っ先が見えてすらいる。

「ア、アル・・・!」

あわてふためいて階段を見つけると、駆け下りていった。躓かないように気をつけるのも忘れていない。

その背中を見送って、ミッターマイヤーはふと気付く。

「ロイエンタール、今の・・・わざと?」

「さぁ?」

ロイエンタールは底の知れない、食えない笑みを唇の端に浮かべた。

 

「って、これはちょっと洒落にならなくないか・・・? 中尉」

腹に刺さっている白刃をあっけにとられて見ているファーレンハイトが呟く。

「今から洒落で済ませます」

妖艶といってさえいい笑みを浮かべてカールが呟いた。

ファーレンハイトがまだ呆然としているスキをついて凶刃を引き抜く。抜きざま正面から切りつけた。

目にもとまらないのに避けれるはずがない。という速度で切りつけられたそれは狙いを過たず一番上の軍服だけを切り裂き、下のシャツにはほつれ一つ作らない。

「真剣・・・だよな?」

シャラン・・・

刀が元の鞘におさまった。

その音に緊張の糸が切れたファーレンハイトがどさりとその場に座り込んだ。

エマイユが階下にたどりついたのはちょうどこの時である。

「アーダルベルト!」

小走りにかけよってきた。

「エマイユ走るな」

エマイユの後からロイエンタールの声が続くが、エマイユは意に介さず首を傾げた。

「あら? さっき上からみたらアルが刺された様に見えたんだけど・・・?」

あどけないエマイユの声に苦笑して、カールはファーレンハイトに手を差し伸べた。

「ファーレンハイト閣下、・・・・「お怪我はありませんね?」」

ハッとしたファーレンハイトが慌てて前を寛げる。

「嘘だろ・・・」

傷が、なかった。

「あ、本当。じゃあさっきのは? おにいちゃま、トリック?」

言いかけてファーレンハイトの上着の背を見て顔が青くなる。切れているのだ。

急いで前も確かめると、前も刀身の幅ぶん切れているのに、体だけが無傷なのだ。

「お、おに、おにい、一体今、なにを・・・」

「トリックというかな」

ロイエンタールが固まったエマイユの肩をぽんと叩き、カールの弁天をシャラリと抜く。

「人間の体ってのは意外と透き間だらけなんだ。だから、細胞と細胞の透き間をぬってそこに刃を差し込めばいい」

刀身の長さにやや手間取りながら、刀を持っていない方の手のひらを貫く。

「呼吸とか、血流とか色々あるんだが・・・、まぁ、それが見えれば意外と簡単に出来る」

(※島崎譲さんの「ザ・スター」参照。勿論、人間がやろうとすると絶対に流血沙汰なので、真似をしてはいけない)

ささってる。これは360度何処から見てもささってる。

「ほらな。怪我してないだろう?」

スルっと弁天をぬいて無傷の手のひらをエマイユに見せる。

「ってあんた無造作にやるなよ、むぞーさに。元帥府で流行ったらどうする」

「そんなの各人が治療費自己負担でやるなら止める権利はないだろう。だって俺らできるんだし」

「ガキみたいな言い訳すんなってーの」

「そうか、じゃあ一応いっとくが、これは練習して出来るようになったわけではなくて、剣振って何時の間にかできるようになってたものだから、練習してどうにかなるとは思わない」

「てか、普通人間に滝は切れねーんだよ。しってる? あんた」

切れるんですか? ロイエンタール。てか、どうやって? どんな風に?

「それにな、エマイユ。出来たって小銭稼ぎにしかならないだろう?」

「どーーせ俺の芸は忘年会の余興にしかならねーーよっっっ!!!」

意外と気にしているらしいカール。

天才だの神業だのってゆーのは、大抵役には立たない。

なんか、どっさり疲れる会話ののち、カールは弁天を非戦闘モードに戻すと床に膝をついてファーレンハイトに頭を垂れた。

「ファーレンハイト閣下、マジで姪のことよろしくお願いします」

「こちらこそ。大事な姪御さんを責任もってお預かりするよ」

大好きな叔父に認められてもらって、エマイユも嬉しそうである。

「アーダルベルト、末永くよろしくお願いしますw」

「見てろよ〜エマイユ。おにいちゃまが古今東西一のステキな結婚式にしてやるからな〜」

「あ、あの、二人とももう話終わらせてるんだけど、エマのお父さんに会いに行かなくても・・・?」

「「え?」」

叔父と姪がまったく同じタイミング、同じ顔でピタリと止まる。

「あーーああーーあーー。おにいちゃま、もしかしてこれってお父さんに言わなきゃいけないんだっけ?」

「えーーてゆーか、父親ってのはそーいやそーゆーもんだっけ?」

いっそ見事な周章狼狽っぷりである。

「あーーー、いやいやいや、大丈夫っすよ閣下。俺姉様からエマイユのこと頼まれてますから」

「うん。大丈夫大丈夫。ウチのお父さんいてもいなくても大してかわらないから」

「存在感薄い? もしかして」

「あー、いや、存在感はあるんだけど、主義主張がないってゆーか」

「あの人って空っぽのひとなんですよ。だから機軸みたいに回りがちゃんと回るってゆーか」

「「ねぇ?」」

実に息のあった家族である。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

胡乱な沈黙。

「おにいちゃま、私逃げたい」

「安心しろ。おにいちゃまは逃げる」

鏡のように身を翻しかけた二人の肩をファーレンハイトが両の手で掴む。

「なーーーーー! まてまてまて、エマイユの実のお父さんなんだろう?」

「エマイユ、カール、マリアが今晩ご馳走作るから早く帰って来いって」

今までケータイで喋っていたらしい、ロイエンタールが云った。

「「それです」」

生贄を指定するようにカールとエマイユがロイエンタールを指差す。

「は?」

「なんだ? どうかしたか?」

「ロイエンタール、エマイユが挙動不審なんだが・・・・」

「エマ? カール?」

そーっと別方向に逃げ出そうとしていた二人が指名に打たれたように静止し、やたら早口でいつのった。

「じゃ、そういうことになりましたから、そういうことで、お父さん」

「あんたはじめっから反対してなかったんだから、それでいーーんだろ、にーちゃん」

「ろ・い・え・ん・たぁるぅ ぅ ぅ ぅ?」

「ああ、ソレ俺の娘だ。云ってなかったか?」

この言葉にまだカールの神業に感激していたギャラリー一同は一斉に潰れた。

「じゃあ俺の子供ってもしかして・・・」

「あーーーーーーーー、わたし早く帰ってマリアのお手伝いしなきゃ・・・」

無駄な努力ってしってますか? エマイユ。

「せめて今日くらい大人しく祝われておけ、エマイユ。俺の初孫だな。カールもエマも子供が好きだからいいことなんじゃないのか?」

「え、え、え、エマ、君今いくつだっけ?」

「じゅ、17よ。知ってるでしょう?」

ミッターマイヤーはこの理知的な女性がまだ17だという時点でずっこける。まぁあんたの奥方が童顔てのもあるんですがね。

「ロイエンタール、お前今・・」

「お前より二つ下だ。しってるだろ?」

物理的に不可能ではない年齢だが、普通はやらない。

「そっか、もう17年もたったんだなぁ・・・俺が男手一つで手塩にかけて育てた娘が・・・・」

「おにーちゃまおにーちゃま」

「明るく利発に育ってくれて、両親のいない(嘘)環境で本当にいい子に育ってくれて、一人暮らしがしたいっていいだしたときも、それがエマイユの成長の為ならって。それが軍人なんかに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

沈黙が長い。

「なぁエマやっぱり結婚すんのやめない!?」

「おにーちゃま! エマに嫁かず後家になれと!?」

「いや、なれ。なろうよ! 俺が養うから!」

「おにいちゃまだって軍人でしょうが!」

「お前のためなら軍ぐらいやめたっていい! そーだ、ロイエンタール家の執事見習いとかいーかも、ロベじいに弟子入りして・・・」

「おにーちゃまったら!」

「エマイユーーーやっぱり嫁にいくのはやす・・・ぎっ」

姪っ子に抱きつこうとしたカールにロイエンタールの裏拳が炸裂。速度の分カールにダメージ。

「残念だな、カール。泣かなかったからエマの勝ち」

「だってーーーにーちゃーんにーちゃーーん」

「カール、重い」

ロイエンタールの背ですすり泣くカールを無視しながらファーレンハイトとエマイユがしゃべっている。

「エマ、さっきの泣かなかったら・・・って。予言?」

「うん、魔法ってゆーか、ジンクスみたいなものかな? 泣かなかったからお父さんが味方してくれるって。お手軽な魔法だけど、楽になるんだよ? 泣かないことだけに頑張ってればよかったから。いつもそうなの。無理な時は絶対無理なこというんだけどね。けど、直接は云わない」

「そういえば、あそこで中尉が兄ちゃんっていってるけど、さっきは君のお母さんの事姉様っていってたよな? 叔父さんって父方の? 母方の?」

「それが、私もよくしらないの。とにかくおにいちゃまは私の叔父さんってだけで」

「父方の・・・ですよーお姫様。異母兄弟だけど」

カールがおんぶお化けになりながらしょげた顔でコメントする。

「カール、重い」

「俺の親父が死んで、お袋が籍ぬくまで俺もロイエンタールだったしぃ」

「あいついまどこにいるんだ? レティシア」

「ウチのかーちゃん風来坊だかんねぇ」

「えっ、おばあちゃんって生きてるの!?」

「おばあちゃん・・・・・」

「えっ、てかなんでエマしらないの!?」

「レティシアがおばあちゃん・・・」

「あ、そーいや、かーちゃんと最後にあったの随分前・・・」

「あ、異母兄弟なら私と血は繋がってないのか・・・」

「いや、そんなこともないはずだぞ。レティーはお前の母親の叔母だから。もっともたしかあっちも異母兄弟だかなんだかのはずだから、そんなに濃くはないかも」

「あーねえさま俺の実の従姉なんだよ。って云ってなかったか。云ってなかったみたいだな」

すげぇ適当な連中である。

「カール、人の背中に沈むな」

「けど、お父さんおにいちゃまを結局払わないじゃないですか。お父さんはおにいちゃまにだけ甘い! です」

「カール。さらに沈むな!」

そう、なんだかんだいってロイエンタールはカールに甘かった。エマにも甘いのだが。

「え、なっ、私なにかいっちゃいけないこといいました?」

「昔、よく言われた」

ずり下がりながら兄の背中に額をくっつける。

「今、何してるんだろう」

「息」

「ベタネタ禁止! あー、でも、生きててくれればそれでイーかも」

「そうか?」

「なんだ? ロイエンタール、誰のこと・・・」

「お母さん?」

「「そう、ソレ」」

「姉様普段は慈母の如く優しいんだけど、俺が兄ちゃんにべたべたすると夜叉になるから」

「お父さん、お母さん生きてるの?」

唐突にロイエンタールが何か思いついた顔をした。カールは顔は見えないが兄の体温があがっていくのを感じた。これは知っている。ロイエンタールが凄いご機嫌な時だ。

「ちょ、にーちゃん?」

否な予感はそれほどでもなかった。

「お前の母親は人魚姫だから、沫になって消えちまったよ」

「はぁ?」

「信じるか?」

ニッ

「え? それは嘘でしょう」

「エマには可哀想だが、ちっとも笑えん。不甲斐ないおにいちゃまを許してくれ」

兄にくるっと背をむけて、背中に倒れこむ。

「えええ!? 嘘でしょう、今のはっ!」

「お前だって充分可哀想だ。カール」

「ロイエンタールの身内ってのは大変だな。どうやって耐えてるんだ? エマ」

ファーレンハイトはエマの混乱を逸らすためにそういった。ちなみにエマの母が人魚姫でも、『だからエマってこんな可愛いんだ』ぐらいにしか思ってない。

「え? 別に耐えてないし。ねぇ、おにいちゃま」

「そーだね・・・」

エマイユとカールは得意満面の笑顔をファーに向けた。

「「愛されてますから♪」」

 

 

「といっているが? ロイエンタール」

いつのまにか隣りにいたミッターマイヤーが聞く。

「こいつらが勝手になついてくるだけだ。俺は何もしてない」

けど、この話で一番可哀想なのはやっぱりロイエンタールの息子なんぞになるはめになったファーレンハイトだと思う・・・。

 

 

しかし、これでエマイユシリーズにカールがでてこない理由がわかったでしょうか?

ヤツがでてくると強制的に話が片付いてしまうのです。

快刀乱麻なカール・クレイマーはベタベタのお兄ちゃんっ子です。


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